企業概要
株式会社ZUUは、『ZUUonline』に代表される金融系の自社メディア運営により、金融機関とユーザーのマッチングを通じて資産形成・資産運用を支援しています。
フィンテック事業とセールステック事業の大きく2つの事業を展開しており、個人・法人のB/S支援を企業理念に掲げています。
会社名 | 株式会社ZUU |
従業員 | 連結128名 |
決算 | 3月 |
設立 | 2013年4月 |
上場 | 2018年6月・東証マザーズ |
業種 | 情報・通信 |
事業内容 | アッパーマス~富裕層向け フィンテック・プラットフォームの運営 金融機関のフィンテック化支援 |
2021年3月期2Q決算ではIT人材確保とシステム開発への積極的な投資姿勢が謳われており、より強力なプラットフォーム構築を優先させていく考えのようです。
業績
直近3期分の業績推移を以下にまとめます。
決算期 | 売上高 | 営業利益(利益率) | 経常利益(利益率) |
2018年3月期 | 944 | 71(7.5%) | 70(7.4%) |
2019年3月期 | 1,317 | 182(13.8%) | 167(12.7%) |
2020年3月期 | 1,847 | -106 | -125 |
売上高は順調に増加しているものの人材・システムへの積極投資フェーズということもあり、営業利益・経常利益は伸び悩んでいます。
投資対効果がどの程度利益に反映されるのか、2021年3月期決算に注目したいところです。
最新決算時点での2021年3月期の業績予測は、以下のとおりです。
決算期 | 売上高 | 営業利益(利益率) | 経常利益(利益率) |
2021年3月期予測 | 2,650~3,020 | 0~200 | - |
2021年3月期2Q決算時点では、売上高は対前年43~64%UP、営業利益は黒字化が見込まれています。
子会社のPMIも順調に推移しているとのレポートのため、2021年3月期以降は継続的に営業黒字化となることが期待されています。
財務状況・収益性
直近3期分の財務状況と収益性の推移を以下にまとめます。
決算期 | 純資産 | 利益剰余金 | 自己資本率 | ROE | ROA |
2018年3月期 | 561 | -9 | 77.5% | 8.2% | 6.1% |
2019年3月期 | 990 | 98 | 80.0% | 13.8% | 8.6% |
2020年3月期 | 893 | -63 | 62.8% | -9.9% | -6.8% |
積極投資フェーズということもありますが、財務基盤が安定しているとは言えない状況です。
フィンテック・セールステックの主要2事業において、ストック型の安定した利益を残せる体制構築が必要不可欠です。
キャッシュフロー
直近3期分のキャッシュフローを以下にまとめます。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | フリーCF | 現金残高 |
2018年3月期 | 78 | -2 | -30 | 76 | 496 |
2019年3月期 | 119 | -14 | 356 | 105 | 957 |
2020年3月期 | -283 | -364 | 23 | -647 | 331 |
期末現金残高が大幅に減少しているのが少々気になりますが、他項目同様に継続的な営業黒字化が実現できれば状況は好転していくでしょう。
投資判断におけるポイント
成長性
欧米諸国と比べて金融に関する教育や知識のレベルが低いと言われる日本において、テクノロジーを活用した金融機関とユーザーとのマッチング事業には大きな意義があります。
プロモーションへ大きな費用を投じる計画となっていますが、ターゲット層は狭い領域となるため効果的に費用を投下しユーザー数を拡大することが必要不可欠です。
株価推移
直近3カ月の株価推移を以下にまとめます。
計測月 | 株価 |
2020年10月末時点 | 1,665円 |
2020年11月末時点 | 1,991円 |
2020年12月末時点 | 2,399円 |
2020年3月期2Q決算前後で大きく下落しましたが、日本保証との業務提携の報道を受け2,700円目前まで上昇しました。
IT人材確保や金融システム開発に積極的に投資を行っているため、確実な回収が見られるのか今後も注視が必要です。
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