目次
はじめに
コロナ禍で収入が大きく減った人が多く、サラリーマンという検索ワードの次には「年収・転職・副業」などのキーワードが続いています。
ここではサラリーマンが収入を増やすために最も適した手段は何かを、昇給・転職・起業・副業というジャンル別に調査していきます。
それぞれのメリット・デメリットについてもわかりやすくまとめますので、これから何かアクションを起こそうとしている方は参考にしてください。
今の会社で昇給を狙う
日本労働組合総連合会が公表している春闘の回答結果を過去3年分以下にまとめます。年間の昇給額は、ボーナス2か月(14か月分支給)想定で算出しています。
調査年 | 平均月例昇給額 | 年間昇給額試算 |
2018春闘 | 中小企業:4,840円 大企業:6,111円 合計:5,934円 | 中小企業:67,760円 大企業:85,554円 合計:83,076円 |
2019春闘 | 中小企業:4,765円 大企業:6,199円 合計:5,997円 | 中小企業:66,710円 大企業:86,786円 合計:83,958円 |
2020春闘 | 中小企業:4,464円 大企業:5,663円 合計:5,506円 | 中小企業:62,496円 大企業:79,282円 合計:77,084円 |
年度ごとに多少バラつきがありますが、年2%程度の賃上げ率が平均的です。現在の年収と目標年収によりますが、年収アップには時間がかかると思っておいた方がよいでしょう。
転職する
大手転職サイトのマイナビでは、同サイトに掲載されている求人から職種・業種・年齢別の年収ランキングを公表しています。その内容を抜粋して以下にまとめます。
職種別・業種別・年齢別モデル年収平均ランキング2020 | マイナビ転職 (mynavi.jp)
職種別ランキング
順位 | 職種 | 平均年収 |
1位 | システムアナリスト | 1,609万円 |
2位 | 経営戦略コンサルタント | 1,444万円 |
3位 | アセットマネージャー | 1,100万円 |
4位 | UI/UXデザイナー | 1,000万円 |
5位 | ITアーキテクト | 975万円 |
IT・経営・金融・不動産など専門的な知識やスキルを問う職種が上位を独占しています。テクノロジー中心の現代に求められる人材であることが高年収を得るポイントのようです。
業種別ランキング
順位 | 業種 | 平均年収 |
1位 | 外資系金融 | 1,515万円 |
2位 | 専門コンサルタント | 775万円 |
3位 | 不動産 | 764万円 |
4位 | 生命保険・損害保険 | 723万円 |
5位 | 環境関連設備 | 685万円 |
金融・コンサル・不動産関係の業種が上位にランクインしています。職種別ランキングでも経営・金融・不動産というキーワードに関連する職種が上位にランクインしていました。
年齢別ランキング
順位 | 年齢層 | 平均年収 |
1位 | 40代後半(45~49歳) | 726万円 |
2位 | 40代前半(40~44歳) | 693万円 |
3位 | 30代後半(35~39歳) | 685万円 |
4位 | 30代前半(30~34歳) | 585万円 |
5位 | 20代後半(25~29歳) | 485万円 |
日本の年功序列の賃金制度を象徴するような結果です。一定の就業経験やスキルを得ることが、転職市場で評価されるポイントの一つのようです。
起業する
日本政策金融公庫の「2020年度新規開業実態調査」によると、個人・法人企業を合わせた現在の月商に関する調査結果は以下のとおりです。
調査年度 | 月商 | 割合 |
2018年度 | 100万円未満 100~500万円未満 500~1,000万円未満 1,000万円以上 | 42.2% 43.1% 8.2% 6.6% |
2019年度 | 100万円未満 100~500万円未満 500~1,000万円未満 1,000万円以上 | 40.3% 45.1% 8.5% 6.2% |
2020年度 | 100万円未満 100~500万円未満 500~1,000万円未満 1,000万円以上 | 45.8% 41.7% 7.9% 4.6% |
直近3年分をみる限り、月商100万円を超えるか超えないかが大きな分かれ目になっているようです。
同じく日本政策金融公庫のデータをもとに起業家の平均年収を算出すると480万円~500万円程度となります。
起業家の平均年収はバラつきが多く、年収600万円以上の人の割合が全体の3割を占める一方で、ほとんど収入がない人も1割程度いたりします。
同「2020年度新規開業実態調査」には開業時にかかる費用についても記載があり、その結果を以下にまとめます。
開業費用 | 割合 |
500万円未満 | 43.7% |
500~1,000万円未満 | 27.3% |
1,000~2,000万円未満 | 18.2% |
2,000万円以上 | 10.8% |
500万円未満が全体のおよそ半分を占めています。開業費用の平均値は989万円で、ここ数年は少額化の傾向があるようです。
副業する
厚生労働省が公開している「副業・兼業に係る実態把握の内容等について」の調査では、何らかの副業を行っている人の1週間あたりの労働時間分布は、以下のとおりです。
1週間あたりの労働時間 | 割合 |
10時間以上20時間未満 | 25.6% |
5時間以上10時間未満 | 24.3% |
5時間未満 | 23.0% |
全体の約7割が1週間で副業に費やす時間は、20時間未満という結果です。全体では10時間程度が平均となりますので、1日あたり1.5時間程度を費やしていることになります。
パーソル総合研究所の「副業の実態・意識調査」によれば、何らかの副業を行っている人の月収分布は以下のとおりです。
副業による月収 | 割合 |
1万円未満 | 2.6% |
1~2万円未満 | 20.0% |
2~3万円未満 | 14.9% |
3~5万円未満 | 20.0% |
5~10万円未満 | 23.8% |
10~15万円未満 | 9.9% |
15~20万円未満 | 2.7% |
20~30万円未満 | 2.3% |
30万円以上 | 3.9% |
「5~10万円未満」の割合が最も高く、次いで「1~2万円未満」と「3~5万円未満」がそれぞれ全体の2割程度です。月に10万円以上副業で稼ぐ人は、全体の2割程度です。
上記の結果から算出される副業による平均月収は6.8万円(年間約81.6万円)です。時給換算すると1652.1円で、これは東京都の最低賃金より650円程度高い水準です。
まとめ
ここまでの内容とネットの口コミなどをもとに、昇給・転職・起業・副業それぞれについてサラリーマンという立場からみたメリット・デメリットをまとめてみます。
今の会社で昇給を狙う
メリット | デメリット |
現在の職場環境・条件を維持しやすい | 年収が上がるまでに時間(年数)が必要 昇給・昇進は約束されたものではない |
少しずつでも年収が上がりさえすれば良いのであれば、昇給を狙うのが最も労力は少なくて済むでしょう。
コロナ禍で示されたように変化の激しい現代では絶対的な安泰は無いに等しいので、昇給のみをあてにするのはリスクが大きいことを認識しておきましょう。
転職して年収アップを目指す
メリット | デメリット |
希望の条件を提示できる やりたいことを実現しやすくなる | 環境変化への適応が必要になる 希望を叶えるには時間や労力がかかる |
総務省統計局の調査にもあるように、日本で転職する人は年々増え続けています。一般的になってきているが故に、高年収を実現しやすい職種・業種は競争率が高くなります。
自身の希望を可能な限り叶えるためには、必要となる知識・スキル・経験を着実に積み重ねていく努力が必要です。
起業家へと転身する
メリット | デメリット |
自分の夢・やりたいことを追いかけられる 事業が成功すれば大きな収入を得られる | 開業費用など大きなリスクを背負う 景気動向などに左右されやすい |
時代とともに起業する人の数も増えており開業費用などは減少傾向にあるようですが、それなりの勝算があり、資金や人脈などの後ろ盾があることが前提になりそうです。
ハイリスク・ハイリターンという言葉のとおり、強い意志と覚悟を持った人には起業という選択肢もありかもしれません。
副業で現在の収入を補う
メリット | デメリット |
内容によるが効率よく収入を増やせる 本業のスキルアップに繋がる | 相対的に労働時間が長くなる 収入を安定させるには時間がかかる |
「副業による平均月収6.8万円」というデータからも、昨今の副業ブームに頷けます。自身に適した副業を正しく選択できれば、効率よく収入アップが狙えそうです。
副業をより効果的かつ有意義なものにするためには、目的・目標金額・かけられる時間などを一度冷静に分析することをおすすめします。
これから何か副業を探したいと考えている方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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